東北地方の復興に向けて、私たち神社界でも様々な取組みをおこなっていますが、昨日私は台東区神職青年会による炊き出しに参加してきました。
この会は台東区内の神社にご奉仕している若手神主さんの会で、今回は13名参加のもと宮城県石巻市の鹿島御児神社(かしまみこじんじゃ)を訪ねました。


6月4日の夜10時、私たちはワゴン車2台、保冷車1台の計3台の車に分乗して東京を出発しました。私は当日のみの参加でしたが、この日のために事務局の皆さんは必死に準備を進めてきました。本当に頭が下がります。
夜が明けて5日の朝5時すぎ、私たちは石巻市街地に入りました。商店街は津波によって壊滅状態で、その生々しい惨状が次々に目に飛び込んできます。
やがて驚くほど急な坂道を登りきって私たちは無事神社に到着しました。
天気は快晴、青年会お揃いの黒いTシャツを着用した私たちは、まず神社に参拝。その後高台から黙祷を捧げて被害者の皆様のご冥福をお祈りしました。
この高台からは石巻の沿岸部を一望に見渡せますが、その光景は誠に傷ましく哀しいものでした。

今回用意した食材は500食分。
メニューは焼そば、焼肉、レトルトご飯、バナナ、オレンジ、グレープフルーツ、お茶パック、うまい棒(菓子)という組み合わせ。早速手分けして準備スタートです。
経験豊富、かつ日頃から交流を深めているだけあってチームワーク良く準備がすばやく進みます。
炊き出し初心者の私も何かできることは無いかと頑張って取り組みました。



午前11時半頃、予定の正午を前倒ししての配給スタートです。
告知のチラシや地元FMラジオの宣伝も相俟って、この急激な坂道を被災者の方々が次々に登ってこられます。
その列は途切れることが無く、私たちもノンストップで調理、盛り付け等の役目をこなしました。そして午後1時半過ぎには、用意した500食が無事全て被災者のみなさんに手渡されました。
しかし最終的には500人以上の方々がお見えになったため、最後の方々にはメニューの全てをお渡しすることが叶いませんでした。本当にごめんなさい。


今回の炊き出しで被災者の方々から心温まる感謝のお言葉をたくさんかけていただきました。また食事が入ったビニール袋を手に持って「ワー重たい、バーゲンみたい」と笑顔を見せる女の子、家族分の袋を提げて自転車で走り回る男の子、そんな子どもたちの姿にも心打たれるものがありました。

今回の鹿島御児神社が鎮座する日和山は桜の名所であり、海を見渡せる風光明媚な観光地です。いつかきっと復興が果たされたときに再びこの高台に立ちたいと思いました。
そんな日が訪れるまで、私たちはこの震災を忘れる事無く、心を一つにして一歩ずつ歩んでいかなければばならないと感じました。

担当 松
テーマ : 東北地方太平洋沖地震
ジャンル : 日記