2012-11-25

新嘗祭

こんにちは

三連休いかがお過ごしですか。神社では七五三のお参りが続き、お昼時はおめかしした子供たちで、まだまだ賑わっています。
昨日も雨の中でしたがたくさんのお参りがありました。

さて一昨日は「勤労感謝の日」。
勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日として祝日になっています。

戦後制定された「勤労感謝の日」ですが、戦前は「新嘗祭」と呼ばれており、本来であれば現在でも「新嘗祭」と呼ばれるべき祭日です。

「新嘗祭」とは天皇陛下が、その年に収穫された新穀を御自らお供えされ、御自身も神様と一緒にお召し上がりになる神事で、その年の収穫を感謝するお祭りです。

なかなか新聞等では報道されず一般にはなかなか知られていませんが、例えば産経新聞では毎日「天皇・皇后両陛下ご動静」という記事が組まれ、両陛下のご動静について日々伝えています。

確認してみると11月24日附け産経新聞には23日のご動静として「夜 陛下 新嘗祭神嘉殿の儀(夕の儀)(皇居・神嘉殿)」として伝えられ、さらに本日11月25日附け産経新聞には23日未明のご動静として「未明 陛下 新嘗祭神嘉殿の儀(暁の儀)(皇居・神嘉殿)」とあります。

昨年は気管支肺炎のためご奉仕が叶わなかった陛下でしたが、今年は恙なくご奉仕されたことがわかります。近年は陛下のご負担を軽減するとのことで神事も短縮されているとのことです。

ここに夜の「夕の儀(よいのぎ)」、未明の「暁の儀(あかつきの儀)」と2度でてきますが、即ち陛下には夜の冷え込むなか同様の神事を2回ご奉仕なされるのです。

ここでなかなか報道されない新嘗祭について詳しく追ってみましょう。
新嘗祭は毎年、およそ次の流れで行われるとのことです。

場所は皇居内、宮中三殿の隣にある「神嘉殿」にて行われます。まず内閣総理大臣、衆参両議長、最高裁判所長官等が神嘉殿前庭の席に着かれます。引き続き皇族の方々が席に着かれます。前庭には赤々とかがり火が燃え、厳粛な空気が張り詰めます。

今回の各新聞の野田総理の動静記事にも「18時47分皇居着、新嘗祭神嘉殿の儀に参列、20時38分皇居発」とあって、野田総理が「夕の儀」に参列したことが報道されています。

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宮中三殿 この隣に神嘉殿があります。



定刻、純白の祭服をお召しになった天皇陛下が侍従の護持する三種の神器のなかの「剣」と「勾玉」と共に神嘉殿にお出ましになられます。さらにこのあと斎服を召された皇太子殿下が続きます。殿内で陛下は神饌(しんせん・お供え物の事)を自らお供えされて御拝礼。次にお告文(祈願文)をお読みになられた後、神様と共に新穀をお召しになられます。

続いて皇太子殿下が御拝礼されます。
以上の神事が一晩で2度行われます。

なお皇后陛下には御所にて、皇太子妃殿下には東宮御所にて、それぞれ祭典にあわせて御慎みになられるとのことです。

天皇陛下は何よりも宮中祭祀を大切にしていらっしゃいます。

天皇陛下は日本国の象徴として数々のご公務を行っておられますが、陛下の最も重要なお勤めはお祭りの御奉仕にあります。

「国安かれ、民安かれ」

これが陛下が一日も欠かすことなくささげられている祈りです。

さて、この新嘗祭は全国の神社でも御奉仕されています。大祭(たいさい)に位置付けられており、年間の中でも最も重要な神事とされています。

当富岡八幡宮でも午前9時より滞りなくご奉仕されました。

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御神前には今年収穫された稲穂がお供えされ、神楽舞も御奉仕されました。

私も楽人として神楽歌を歌いましたが、皆さん「舞」というと巫女さんを思い浮かべる事でしょうが、男性の舞もあるのです。

富岡八幡宮の新嘗祭では例年、神職さんの舞が御奉仕されています。
「朝日舞」という舞で、明治天皇の御製(和歌)を舞として制定したものです。

さしのぼる朝日のごとくさはやかに もたまほしきは心なりけり
   目に見えぬ神に向かひてはぢざるは 人の心のまことなりけり

以上の和歌にメロディーをつけて舞われます。

本年もブログでもおなじみの権禰宜の佐さんが祈りを込めて厳かに御奉仕しました。
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2012-10-31

休憩場ができました

こんにちは。10月もあっという間に過ぎて明日から11月。11月はいよいよ七五三と酉の市で、多くの参拝者を迎える時期です。そんな参拝者の皆様にお休みいただく休憩所がこのたび出来上がりました。


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この休憩所は8月の天皇皇后両陛下の行幸啓を記念したもので、両陛下が連合渡御を御覧になられた御座所の二階部分を移築したものです。
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 御座所です。

両陛下と永代一




御参拝の折には是非お立ち寄りください。

2012-08-31

例祭ありがとうございました

こんにちは ブログ大変ご無沙汰して失礼いたしました。

さて皆様のおかげを持ちまして、お祭りは無事滞りなくご奉仕することができました。

特に12日に天皇皇后両陛下のお出ましを戴きましたことは、誠に栄誉なことと感激でいっぱいです。八幡宮の歴史上、最も大切な出来事として永く伝えていかなければなりません。


両陛下と岩手平泉

両陛下には午後1時55分に婚儀殿玄関に御到着され、拝殿にて御拝礼されました。その後、昭和20年3月10日の東京大空襲で被災された3名の方々と御懇談。さらに永代通りに面した御観覧席に進まれて各町神輿連合渡御を御覧になられました。
神輿御観覧の間、両陛下は終始お立ちになられたまま盛んに拍手を贈られていました。


富岡八幡宮は東京大空襲直後の昭和20年3月18日に昭和天皇が被災状況御視察のためにお立ち寄りになられた神社で、さらに昭和23年には深川佐賀町の神輿が二重橋前に渡御し当時の富岡宣永宮司が皇居を拝して復興状況を奏上した御縁がございます。

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    昭和20年3月18日、富岡八幡宮参道を歩まれる昭和天皇



かつて昭和天皇が被災地として訪れた深川の地に、このたび両陛下がお出ましになられ、空襲被災者とご懇談。さらに活気あふれる祭礼を御覧になられたことは誠に意義深いものと感じています。

さらに今回の祭礼は「東日本大震災早期復興祈願」と銘を打ち、深川と交流のある岩手県平泉の神輿を特別ご招待。平泉神輿は両陛下の御前での渡御がかないました。

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13日から15日にかけては境内にて東北物産展を開催。多くの皆様にお越しいただき大変好評をいただきました。

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また11日には、神幸祭(しんこうさい)が行われ、御鳳輦(ごほうれん)というお神輿に八幡様をお遷しして氏子約70ヶ町巡りました。
今回注目を浴びたのが約60年ぶりに用いられた網代車(あじろぐるま)。鳳輦渡御のお供の際に宮司が乗る車です。
当神社の網代車は昭和5年に御鳳輦とともに謹製されたもので、これまで神庫に収納されてきましたが今回修復作業を経て久しぶりに用いられました。
私も楽しみにしていた網代車。無事宮司を乗せて神様のお供をいたしました。

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御鳳輦と網代車




そして最終日の15日にはお祭りの最も主となる神事「例祭」がご奉仕され、皇室国家の弥栄と氏子崇敬者の繁栄、そして震災復興への祈願が捧げられました。
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     例祭にて復興への祈りを込めた「富岡の舞」の奉奏



5日間に渡った今年の本祭りは無事終了することができました。皆様には心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。







2012-05-15

皇室の弥栄を祈る

今日は深川の縁日。社殿では9時より宮司以下全神職により月次祭が御奉仕され、さらに「天皇皇后両陛下英国御渡航行幸啓安泰祈願祭」の御奉仕が合わせて斎行されました。

天皇皇后両陛下には、明日より20日までエリザベス女王在位60年の記念行事に御出席されるためイギリスへ御出発なされます。

両陛下は御滞在中、ウィンザー城で催される女王夫妻主催の午餐会(昼食会)とバッキンガム宮殿でのチャールズ皇太子夫妻主催の晩餐会に御出席され、また東日本大震災で尽力された関係者の皆様との懇談会も予定されているとのことです。

本日の祈願祭では「両陛下の期間中の安全と日英両国の親善友好」が祈願され、ひたすらに両陛下の御滞在中の御無事をお祈りいたしました。

私ども神職は本日の月次祭あるいは毎朝の日供祭などをはじめとして、1日も欠かすことなく御神前に感謝と祈りを捧げています。そこでは皆様のご隆昌・ご繁栄が祈願されるのはもちろんのことですが、祝詞において何よりも始めに祈願されることは皇室の弥栄です。

祝詞は日本の古い言葉、古語を使って記されます。

「天皇(すめらみこと)の大御代を手長(たなが)の御代の厳(いかし)御代と堅磐に常盤に斎(いわ)ひ奉り幸へ給ひ」
(天皇陛下のお治めになるこの時代を長久の御代、立派な御代にと長く久しく守護申し幸あらせ申しなさり)



さて私どもが皇室の弥栄を祈願する一方で、実は天皇陛下も「祈りの生活」をなされています。天皇陛下は日本国の象徴として数々のご公務を行っておられますが、陛下の最も重要なお勤めはお祭りの御奉仕です。

皇居の中には宮中三殿という神社があります。そしてそこでは天皇陛下御自らによりお祭りが御奉仕されています。年間を通して様々なお祭りが行われていますが、そのいずれもが国の安寧と人々の幸福、そして世界の平和を祈るお祭りです。

「国安かれ、民安かれ」
これが陛下が一日も欠かすことなくささげられている祈りの内容です。これは初代天皇の神武天皇以来継承されてきました。

日本の二千年に渡る歴史はこの歴代天皇の尊い祈りとともに歩んだ歴史です。
世界に類を見ないこの歴史は私どもの誇りです。


そして私ども神職は陛下のお祭りに臨まれる真摯なお姿をお手本に、これからも日々の神明奉仕を勤めなければなりません。

今回の英国御訪問が恙なく終えられることを切にお祈りいたします。

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